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仕事にまつわる体験談

頑張るあの人が体験した「仕事の壁の乗り越え方」

2022.08.18

キャリア職で活躍する女性たち。キラキラと働く裏で、これまで体験してきた仕事上の壁は数知れず。どんな壁に遭遇し、どうやって解決したのか。リアルな体験談から、働く女性の悩み解決のヒントを探ります。

Case2:営業成績が上がらない部下の指導が難しい!

今回、お話を聞いたのは営業職のNさん(33歳)。新卒では教育機関で人事を経験し、27歳で現在の法人営業職へ転職。30歳の時には、5人の部下を抱えるチームリーダーに昇進しました。若いうちに部下を持ったことで、こんな困り事に遭遇したそうです。
「チーム全体の営業成績はよかったのですが、一人だけなかなか成績が上がらないメンバーがいました。まだ私自身プレイヤーとしてもバリバリ働いていた時代でもあったので、『頑張れば成績は上がるもの!』という考えで、とにかくそのメンバーを頑張らせてしまって……。その結果、本人との間にも壁ができてしまいました。私と働くのも辛いんだろうなという気持ちが感じ取れるまで、ギスギスした雰囲気でしたね」


当時を振り返って、「自分の理想だけを押し付けるマネジメントをしてしまっていた」と後悔していると語ります。若くして管理職になる実力があり、成功体験も多いNさんだからこそ、つい部下には自分流で厳しくしてしまう節もあったのかもしれません。では、どのように解決したのでしょうか。

【解決策】 「得意なこと」を伸ばすマネジメントにシフト。楽しく積極的に働ける環境を整えた。

部下のマネジメントに悩んでいた時に参考になったのは、意外にも他のチームメンバーだったと言います。

「他のメンバーが、私とそのメンバーの関係が悪くなっていることを察してくれて、フォローに回ってくれたんです。メンバーが良い雰囲気を作ってくれて、成績が足りない部分などはサポートしてくれるようになりました。みんなで一つのチームとして頑張る土壌づくりをしてくれたのです。恥ずかしい話ですが、部下に助けられましたね。そのようにメンバー同士が寄り添いながらフォローをしている姿を見て、押し付けるだけのマネジメントではなく、一人一人に合わせたサポートやマネジメントが必要なんだなと、はっと気付かされました。今思うと当たり前のことなのですが、その時は私も必死でそのことに気が付けず……」

自分の考えを押し付けることを辞めたNさん。具体的にこのようなマネジメントに変わったそうです。

「まずは、メンバーが楽しく仕事ができる雰囲気作りに取り組みました。楽しく仕事ができれば前向きに働けて、私が指導しなくても積極的に頑張ってくれるようになります。そのために、メンバーの『得意なこと』と『どんなことに喜びを感じるのか』を知るようにしました。そして、その2つのことを中心に仕事を組むように調整しました。苦手な部分にフォーカスするのではなく、得意なことをとことん伸ばすマネジメントに変えたのです。

以前はことあるごとにガミガミと怒っていましたが、今は指導のようなことは基本的にはせず、とにかく褒めることに徹しています。そのおかげか、チームの雰囲気もだいぶよくなったと感じています」

具体的にはどんな褒め方なのでしょうか?
「例えば、電話を取った新人には『今の電話、声色がとても明るくて、お客様もすごくいい気分だったと思うよ』など、良かったと思ったポイントを素直に伝えます。そうすると、褒められた側は次も電話を取る抵抗感がなくなりますよね? 他にも『○○さんのおかげで××さんも頑張っていると思うよ。感謝しているよ』と、感謝の気持ちも伝えることで、自然とお互いを支え合う雰囲気がチーム内に生まれてきたと感じています。とても些細なことですが、日々の言動こそ大事だと思っています」

たしかに、上司から褒められたり、感謝されて嬉しくない部下はいないはず。仕事の励みになり、時には苦手な分野の克服にもつながるかもしれません。こうしてNさんは管理職として一つ成長できたと語ります。そして現在はさらに一つ上の管理職にも昇進。当時、身をもって学んだマネジメントスキルを活かしつつ、より多くの部下を抱えながら働いています。

「仕事をしている時間って、人生の約半分ですよね。だったら楽しく働きたいというのが私のモットーです。だからこそ、どんな仕事でも自分で楽しさを見出すようにしています。例えば『次はお客様にこんな提案してみよう』『こんな効果検証してみよう』など、嫌々やらされるのではなく、自分から積極的にチャレンジし続けたい。もちろん、自分のペースで無理しない範囲で。部下たちにも楽しんで仕事に取り組んでもらえたらと思っています」

今回は、若い管理職だからこその困り事。いま部下のマネジメントに悩んでいる方や、これから管理職を目指す方にはぜひ参考にしてほしいエピソードです。

(取材・執筆:菱山恵巳子)