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心が奮い立つ「名言集」

心にじんわり沁みる、詩人・茨木のり子さんの名言

戦後の日本を代表する詩人であり、「現代詩の長女」とも呼ばれる茨木のり子さん。

 

自律的で凛とした言葉の数々は、現代を生きる私達の心にも深く刺さり、共感を呼びます。

 

今回は、心にじんわりと温かく沁みる、珠玉の名言をご紹介します。

多忙で心に余裕がない時に思い出したい名言

『人間だけが息つくひまなく動きまわり、忙しさとひきかえに大切なものをぽとぽとと落としてゆきます』

≪茨木のり子≫
詩人。1926年、大阪府出身。6歳の時に医師である父の転勤を機に愛知県に移り住み、愛知県立西尾高等女学校を卒業。その後、上京して帝国女子医学・薬学・理学専門学校 (現・東邦大学)の薬学部に入学。1946年に卒業後は、劇作家を志し、童話作家、脚本家として活躍する。
1950年、「茨木のり子」のペンネームで雑誌『詩学』に詩を初投稿。1953年には川崎洋らとともに、同人誌『櫂』を創刊。谷川俊太郎・友竹辰・吉野弘などの新鋭詩人を多数輩出した。
1955年、第一詩集『対話』を刊行。その後も『見えない配達夫』(1958年)、『鎮魂歌』(1965年)、『自分の感受性くらい』(1977年)などの詩集を刊行した。1991年には訳詩集『韓国現代詩選』で読売文学賞を受賞。訳詩の分野でも活躍した。


心を動かす数々の詩を残し、現代女性詩人として確固たる人気を誇る茨木のり子さん。


自立した生き方を鋭い視点で説きながらも、柔らかい感性による表現で、多くの支持と共感を集めてきました。


『人間だけが息つくひまなく動きまわり、忙しさとひきかえに大切なものをぽとぽとと落としてゆきます』という言葉は、詩の発表から60年以上経った今もたくさんの人々の心に刺さる名言です。


茨木さんは1964年~1966年にかけて月刊誌『装苑』の巻頭で「今月のうた」と題した詩を掲載しており、この名言は、1964年の12月号で発表された「12月のうた」の中に登場する言葉です。


「12月のうた」では、次のような書き出しで始まります。


“熊はもう眠りました
栗鼠もうつらうつら
土も樹木も
大きな休息に入りました”



自然にとって、12月は休息のシーズン。

一方の人間はというと、きっと仕事もプライベートも何かと忙しくしている人も多い時期ではないでしょうか。


多忙な日々に追われていると、目の前のことに必死で、周りが見えなくなってしまうこともあります。「あの時ああしておけば…」と、後々の後悔や失敗につながってしまうことも。


忙しい時こそ、この名言を思い出し、ひと息つく余裕を持ってみてはいかがでしょうか。

努力することへのモチベーションが上がる名言

『ひとりの人間の真摯な仕事は、おもいもかけない遠いところで、小さな小さな渦巻をつくる』
詩人としてその生涯を貫き、数多くの作品を世に送り出してきた茨木さん。


詩「小さな渦巻」の中の『ひとりの人間の真摯な仕事は、おもいもかけない遠いところで、小さな小さな渦巻をつくる』という名言は、自身が詩を書き続けるうえでも大きな原動力になったであろう言葉です。


どんな仕事であれ、ひとりの人間が一生をかけて成し遂げられることは、そう多くはありません。成果を1日で実感できることも多くないはずで、数ヶ月、1年、もしかすると、成果が形となるのは十数年先のことかもしれません。


地道な積み重ねの日々に、「今やっていることは本当に意味があるのか?」「社会の役に立つのか?」と、不安がよぎることもきっとあるでしょう。


しかし、たとえその時は実感がなくても、誠実に取り組んだ事柄は想像もしなかった場所で小さな渦巻を作り、やがて大きな影響力へと成長します。


今取り組んでいる仕事に自信がなくなった時は、ぜひこの名言を思い出してみてください。

弱気な自分を奮い立たせる名言

『ばさばさに乾いてゆく心をひとのせいにはするな。みずから水やりを怠っておいて』
茨木さんの詩は、自身の戦時体験が大きな原点となっています。


敗戦によって荒れ果てた街、目まぐるしく変化する不透明な時代の中で、彼女は“自分の感性を信じ抜くこと”をやめませんでした。


『自分の感受性くらい』という作品は、まさに自分自身で感受性を育み守ることの大切さを伝えた詩集であり、茨木さんの代表作のひとつです。


この作品の中の『ばさばさに乾いてゆく心をひとのせいにはするな。みずから水やりを怠っておいて』という言葉は、自戒の念を込めて心に留めておきたい名言です。


生きていれば、自分の思い通りにならないことが山ほどあります。時代や置かれた状況のせいにしたり、誰かのせいにしたくなる時もあるかもしれません。


しかし、その事実をどう捉えてどう感じるかは結局、自分次第です。


人や物を言い訳にして生きるのか、自分自身で生き方を考え選択していくのか。


この名言は、一見厳しい言葉のようにも思えますが、自分を信じ抜くことの大切さを教えてくれます。


『自分の感受性くらい』のラストは、こう締めくくられています。


“自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ”



自分に喝を入れ、奮い立たせたい時にぜひ思い出してみてください。





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