堀井美香さん「会社員はいつチャンスが来るかわからない。常に準備をしておこう」
キャリアや仕事、人間関係、健康、家族、恋愛…。悩み多き現代女性たちに寄り添う人気企画「お悩み相談室」。今回は、アナウンサーの堀井美香さんが読者のお悩みに答えます。30代が抱えるキャリアに関するお悩み。堀井さんならどう乗り越えるのでしょうか?
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堀井美香さん
フリーランスアナウンサー。1972年生まれ、秋田県出身。1995年、TBSにアナウンサーとして入社。2022年3月に退社。現在は数々の人気番組のナレーションを担当し、ジェーン・スーさんとのPodcast番組『OVER THE SUN』のラジオパーソナリティとしても活躍。自身が開催する朗読会もチケットが即完売するほど人気。
★堀井美香さんのインタビュー記事はこちら
30代・40代の働き方は「最後に帳尻が合えばいい」
もっと幸せな50代になるために、今からできること
職場はホワイトだけど、やりがいがなくキャリアプランを描けない
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堀井さんの回答「まだわからない『いつか』のための準備をやめないこと」
キャリアプランを明確にできるのは自分だけです。自分は最終的に何がしたいのか、そのために何年後には何をする、ということが具体的にわかれば、自分で今すべきことが自ずとわかるものです。
しかもホワイトな職場ならば、家に帰った後も時間があると思います。そこで自分のキャリアのための勉強時間に使ったりできるはず。なりたい自分像を自分で探して、具体的に一歩踏み出してみてください。
世の中、希望の職種につけることはほとんどないので、人事を尽くして天命を待つしかないんです。今、自分のキャリアのために頑張ったことは、いつか仕事で活かせるかもしれないし、活かせないかもしれない。でも、活かせなくても自分の糧にはなります。「いつか」のために準備しておくのが「仕事の本質」であると思って良いと感じます。
あと、今単純作業だと思っている業務だって、「もっとこうした方が良いのに」「もっとこうできるのに」と思うポイントがあるはず。そこを自分で変えていくことで単純作業ではなくなります。どんな部署にいようが問題点を見つけて変えることが、仕事の何よりの楽しみではないでしょうか。
例えば私がいるテレビ業界で言うと、ADさんが原稿のコピーをとってくれます。そのコピー作業は一見すると単純作業ですが、そのコピーのとり方や渡し方一つで関わる人のパフォーマンスが上がって、周りも変わっていくもの。自分の仕事がプロジェクトの一部だとしても、その一部のクオリティがものすごく高ければ、関わるみんなも良くなっていくものなんです。そうなると仕事ももっと楽しくなるはず。どんな仕事にも何かしら変えられるポイントはあるから、それを変えていく仕事の醍醐味を味わってみてください。
働いた時間で評価される職場。子育て中はどうしたら?
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堀井さんの回答「自分自身で子育てと仕事の比重を把握し、将来望む働き方をアピールしよう」
これは会社の評価制度に問題がありますよね。今はいかに最短で目標を達成するかが求められる時代なはず。すでに短時間で最大の成果を出せるよう意識しているということなので、それはすごく強みですよ。「この目標に対して、これくらいの時間でこれだけの成果を出した」というのは面談や業務報告でもどんどんアピールするべきだと思います。
あとは会社で成果を短時間で出したのなら、空いた時間で自分の将来に投資する。子育てが一区切りついた時には仕事に重きを置くようシフトしていくための準備をするとか。今はその準備期間なんだと捉えた方が良いかもしれません。
会社って必ずしも努力に比例して役職が上がっていくわけではないし、正直言ってタイミングに左右されたりもする。いつ自分が昇進できるかなんてわからないものです。だからこそ、子育てしながら働いている方は「自分はいま、子育てと仕事の比率がどれくらいか」は意識した方が良いですね。「いまは子どもが小さいから子育て:仕事が8:2」「今は全部仕事に振り切っている」とか。自分が今どういう働き方をしているのかを把握し、周りにも伝えておくとお互いストレスが無いのかなと思います。
「今は子育てに集中しているので、こういった働き方ですが、◯年後にはこういう風に働きたいです」というように。自分からアピールしておくと、子育てが落ち着いた後にスムーズに仕事にシフトしやすくなりますよ。
【回答まとめ】
・どんな単純に見える仕事でも問題点を見つけ「変えられる」ポイントはある。それを見つけるのが仕事の醍醐味。
・一見、単純作業に感じる仕事であっても、パフォーマンスが良いと関わる人たちがより良く変わるもの。
・自分の中での子育てと仕事の比率を把握し、将来的にどうしたいかも含め、周囲にも伝えよう
(取材・執筆:菱山恵巳子)