後輩育成に役立つ!女子教育の先駆者、津田梅子の名言
日本の女子教育の先駆者として、次代を担う自立した女性を社会に送り出した津田梅子。
彼女の残した名言は、管理職女性のみなさんの後輩育成にも役立つ言葉が数多くあります。
今回は、その中から珠玉の3選をお届けします。
後輩の新たなチャレンジを後押しできる名言
- 『将来は皆さんの手中にあり、皆さんは実際の体験における試練と教訓を待たなければなりません。』
≪津田梅子≫
日本の女子教育の先駆者であり、津田塾大学の創始者。1864年生まれ、江戸牛込南御徒町(現在の東京都新宿区)出身。1871年、わずか6歳にして当時の日本で初めて、女子留学生の一人として最年少で米国に渡る。17歳で帰国するまでの間、英語、フランス語、ラテン語などの語学をはじめ、自然科学や心理学などの幅広い学問を学ぶ。帰国後は英語教師として3年ほど勤めるも、1889年に再び渡米し、ブリンマー大学で生物学を専攻。28歳で日本に帰国し、再び教師として教壇に立つ。
1900年、女子英学塾(現在の津田塾大学)を開校。日本初の女性のための本格的な英語教育を提供する場として、独自の教育方針を掲げ、晩年まで女子教育の発展と繁栄活動に尽力した。
2024年から五千円札の肖像画として採用されるなど、女子教育の先駆者として大きな功績を残した津田梅子。
1913年の卒業式の式辞の中の、『将来は皆さんの手中にあり、皆さんは実際の体験における試練と教訓を待たなければなりません。』という言葉は、未来への希望と覚悟を促す強いメッセージが込められた名言です。
津田梅子が生きた明治初期には男女の教育格差があり、女子教育は行儀作法の延長でしかありませんでした。女子英学塾の開校により、女性にも社会に貢献するための知識とスキルを身につける場が設けられた形となりましたが、それでも、男性優位の風潮そのものが変わったわけでなく、さまざまな困難が想定される環境下でした。
彼女は、 そうした試練の中にあってこそ未来を切り拓くチャンスがある と、厳しくも前向きに未来を見据えていたことが、この名言からわかります。
育成中の後輩の中には、仕事のチャンスが巡ってきた時、失敗を恐れて挑戦に臆してしまう人もいるかもしれません。そんな時は、ぜひこの名言をその後輩に伝え、新たな可能性への一歩を後押ししてみてはいかがでしょうか。
後輩育成の本質を捉えた名言
- 『環境より学ぶ意志があればいい』
- 社会で活躍できる女性リーダーの育成を掲げ、女子英学塾を開校することで、女性が本格的に学べる環境をつくった津田梅子。
一方で、『環境より学ぶ意志があればいい』との言葉から、学ぼうとする本人の熱意やモチベーションを何よりも重視する彼女の考え方が伺えます。
彼女は他にも、『真の教育には、物質上の設備以上に教師の資格と熱心と、学生の研究心が大切である』との言葉をはじめ、人のマインドに焦点をあてた名言を数多く残しています。
どんなに整った学習環境を提供しても、本人の意欲が伴わなければ、真の女性リーダーを育成することはできません。そうした本質を踏まえ、学生のモチベーションを維持し、学びへの意欲を育むことにも重点をおいた教育方針であったことがわかります。
後進の育成環境は整っているのに、なかなかうまくいっている実感がないという時は、ぜひこの名言を思い出してみてください。今一度、後輩たちはどんな仕事に興味があるのか、どんなキャリアを歩んでいきたいのか、モチベーションが上がるポイントを探ってみると、育成の糸口が見えてくるかもしれません。
後輩育成に自信を与えてくれる名言
- 『秀才だけがよい先生になれるのではありません。信仰と愛と忍耐とがよい先生をつくるのですよ。』
- 津田梅子の授業は厳しく、あまりのスパルタぶりに脱落者も出るほどだったといいます。一方で、一人ひとりの学生たちと親身に向き合う優しさも持ち合せていたそう。
『秀才だけがよい先生になれるのではありません。信仰と愛と忍耐とがよい先生をつくるのですよ。』という言葉は、まさに彼女が考える理想の教師像を表している名言です。
女子英学塾の開校時の学生はわずか10名、女性の地位もまだまだ低かった時代であり、彼女と学生たちとの間には、女性活躍に向けての熱意に温度差がありました。それゆえ、脱落者が続出しましたが、生半可な姿勢では自立した女性を育成できないと、彼女はその信念を曲げることはなかったと言います。
津田梅子の思いは、やがて学生たちにも伝わり、女子英学塾を卒業した生徒たちは英語教員として全国で活躍。次世代を担う女性を育成するという彼女の志を受け継ぎました。
優秀な管理職かどうかは、必ずしも知識量では決まらず、後輩とのコミュニケーションも含めた“人間力”が大切になってきます。「自分には管理職としての知識や経験が不足しているのでは」と自信をなくしてしまった時は、ぜひこの名言を思い出してみてください。
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