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仕事に効く話

女性リーダーのキャリアアップのために!
仕事で「やりたいこと」の見つけ方

これからのキャリアに悩むことも多い、女性リーダーたち。改めて仕事を通じて自分が実現したいこと、すなわち仕事で「やりたいこと」の見つけ方を、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(KADOKAWA)著者の八木仁平さんにお聞きしました。仕事で「やりたいこと」がわかれば、自身のキャリアアップはもちろん、チームメンバーのマネジメントにも役に立ちます!

 

<八木 仁平さんプロフィール>

自己理解メソッド開発者。早稲田大学商学部卒。 3ヶ月10STEPでやりたいこと探しを終わらせる「自己理解プログラム」を開発。そのノウハウを書籍化した『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』は売上30万部を突破。新刊『世界一やさしい「才能」の見つけ方』(KADOKAWA)を2023年4月に発売。

「やりたいこと」が見つかれば、会社や家庭に振り回されない!

―女性リーダーが「やりたいこと」を見つけることで、人生はどのように変わるのでしょうか?
八木仁平さん(以下、八木):そもそも自分の「やりたいこと」が見つかっていないまま仕事をしていると、会社から求められることに振り回され続けてしまうんです。

自分が「何をやりたいか」「今後どういうキャリアを歩みたいか」は、言葉にしないと、他人には絶対にわからないこと。積極的に伝えていかないと、会社や上司の都合で仕事を振られてしまいます。

一方、「やりたいこと」が見つかっていて、さらに言葉にしていれば、周囲からも「チャンスがあったら挑戦させてあげよう」と思ってもらえます。自分がやりたいことにつながる仕事を任される確率が上がるんです。

―実際、「やりたいこと」がわからなくて悩んでいる30〜40代の女性リーダーは多いのでしょうか?
八木:年代や性別に限らず、多くの方が悩んでいる現状です。また、特に子育て中の女性だと、会社でも家庭でも求められることが多いですよね。そうなると「自分の人生ってなんだっけ」と考え直す方も多いです。そこで自分の「やりたいこと」という軸が一本定まっていれば、育児も仕事もバランスが上手く取れてきますよ。

本当にやりたいこと=「好きなこと」×「得意なこと」×「大事なこと」

―では、「やりたいこと」を見つける方法を教えてください!
八木:やりたいことは、3つの要素に分解できます。「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」です。これらの3つの要素が掛け合わさった時に「本当にやりたいこと」が生まれます。
―3つの要素について詳しく解説をお願いします。
八木:「好きなこと」は興味があること・情熱とも言い換えられ、やりたいことを実現する手段となります。その時々で変わることでもあり、やりたいことを探す上での重要度は低めです。また、やりたいことと好きなことをイコールだと考えてしまう方もいますが、そうではありません。「洋服が好きだからアパレルの仕事がやりたいこと!」なのではなく、「自分の価値観を大切にしながら、得意を活かすためにアパレル業界の中でどんな仕事をするか」という考え方が正しいのです。

そして、「得意なこと」は才能とも言い換えられます。半分は遺伝、半分は環境で決まると言われていて、時間の経過であまり変わることがない要素です。

最後の「大事なこと」とは価値観のことで、結婚や出産などの大きなライフイベントがあると変わることもあるのですが、基本的には変わりません。価値観は「何のために働くか」という方向性を示すものなので、やりたいことを探す上で、実はこの要素が一番大切です。

例えば、僕の場合、「好きなこと→自己理解」「得意なこと→体系立てて考える」「大事なこと→夢中」なので、自己理解メソッドを体系立てて伝えることで、夢中な状態の人を増やす、という仕事をしています。

―それぞれどのように見つければいいのでしょうか?
八木:要素別に質問をいくつか用意しました。これらに答えることで、自分の中の3つの要素をみつけることができます。
八木:それぞれの要素は一つだけとは限りません。出てきた要素を掛け合わせて、ぜひやりたいことを見つけてください。

「価値観」中心のマネジメントで、メンバーのモチベーションも上がる!

―リーダーとして、チームメンバーのマネジメントに「やりたいこと」を活かす方法はありますか?
八木:リーダーは仲間を巻き込みながら仕事をしなければなりませんよね? その際に、自分の価値観と重ねて「この仕事はなんのためにやるのか」というゴールを伝えることで、目の前の仕事に対する説得力が増します。私も常日頃からメンバーには「夢中」という価値観を重ねて仕事のゴールを見せています。「夢中に生きられる人を増やし、全ての個性が調和した世界を作るために、いまこの仕事をする」というように。だからこそ特に企業のリーダーは、自分の価値観を知っておくことはとても大切です。

また、メンバーの価値観を把握し、価値観を中心にマネジメントすることもオススメです。一人ひとりの価値観に紐づけた仕事の依頼をすれば、メンバーのモチベーションはおのずと上がります。

例えば「前進」という価値観を持っているメンバーだったら、クライアントが成長するためのサービス開発を依頼し、「仲間」が価値観のメンバーにはクライアント同士のコミュニティ作りを依頼するというように。「あなたのこの価値観にこの仕事はピッタリだから」と伝えると、言われた方はやる気がでて、結果もついてくるんですよ。

価値観は本人の口から聞かないとわからないことなので、1on1のタイミングなどで、価値観を引き出す質問をするといいと思います。

―仕事が価値観に紐づかない時もあるかと思います。どうしたらいいのでしょうか?
八木:価値観は「紐づくか/紐づかないか」ではなく、「紐づけるか/紐づけないか」です。同じ仕事でも、依頼の仕方一つで価値観に紐づけることができます。「仲間」が価値観のメンバーには「このプロジェクトはたくさんの人の力を借りて実現させて」と依頼すればいいですし、「好奇心」が価値観のメンバーには「結果を出せるなら方法は任せる。楽しんで色んな方法を試してね」というように。

人間は目の前の事実に対して、解釈を変えることができるので、まずは徹底的に工夫をして、仕事を自分やメンバーの価値観に紐づけるようにしてください。

―なるほど。では、なかなか成果がでないチームメンバーに対して「やりたいこと」を使った指導法はありますか?
八木:成果がでない時は、本人も成功イメージがわかっていなくて自信もなくしてしまっています。そういった時は、その方の得意なことが活かされた過去のパターンを引き出しましょう。そして「今回もこういうやりかたでやってみよう」と、導いてあげるといいでしょう。

「やりたいこと」の実現手段として会社・仕事を利用する

―「やりたいこと」がわかっていれば、これまでは嫌だと感じていた仕事にも前向きに取り組めそうです。
八木:その通りだと思います。今いるこの環境でも、「やりたいこと」を実現する方法はいくらでも見つかります。逆に、仕事が嫌だと思った時、価値観を合わせる工夫、得意なことを活かす工夫をしないままに転職や部署異動をしても、次の仕事でそれらが勝手に合うことはありません。

―ありがとうございました。最後に、「Be myself」の読者にエールをお願いします!
八木:「好きなこと」「得意なこと」「価値観」を言語化できれば、会社の力を借りながら自分のやりたいことを実現することができて、どんどん仕事が面白くなるはずです。そして、さらなるキャリアアップにつながると思うので、応援しています!
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